輪転機

輪転機

 私は印刷室にこもって、自分の考えに耽りながら作業していた。
 何はともあれ生きるんだ。そう思っておかないと、生きるのが面倒くさくなってしまう。実際もともと、生きるなんて面倒くさいことばかりだ。一瞬の楽しみのためにずっと我慢する、なんて生き方を、いつまでもできるのだろうか。楽しいことがある、と自分を鼓舞しながら生きる、なんて生き方も。
 そんなことを考えていて、突然気づいた。
 ああそうかなるほど、こういうのを鬱というんだな。
 今更ながら気がついて私は、輪転機を回し続ける。休み時間はもう、終わりに近づいていた。

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